『自分は無宗教なのでお仏壇はいらない』と考えている方は多いのではないでしょうか?しかし、身近な人が亡くなって、お仏壇を引き継ぐことになった場合はどうすればいいでしょうか?
仏壇の意義
そもそもお仏壇を置かないといけないのでしょうか?
お仏壇とは
仏壇は仏様のいる場所で、お寺を模していることから家庭の中にある小さなお寺という存在になります。そして、亡くなった方の魂が位牌にあることになります。(宗派によって魂の宿り方には様々な考え方があるようです)。そのため仏壇へのお参りはお寺参りと同じ意味があり、日常における故人やご先祖様への感謝の場として仏壇があるといっていいでしょう。しかし、現在では様々なライフスタイルがあり、形にこだわらず仏壇を置かないという選択をする方が多くなってきているのは事実です。
仏壇を置かない・置けない事情
仏壇を置きたいけど、さまざまな事情で置けない、または置かないケースが増えてきています。仏壇のない世帯は6割を超えているのが実情のようです。
仏壇を置くスペースがない
一軒家であれば、仏壇を置くスペースが最初からあったり、改めてつくったりもできますが、マンションやアパートでは、仏壇用のスペースを確保できないといったケースが大多数です。そして、仏壇のお世話をしていた人が高齢になり、施設などに入居した場合、仏壇を置きたくても置けないという状態になることもあります。
生活様式に合わない
従来型の仏壇は、大きさだけでなく存在感もあるため、生活の中に独特の雰囲気の空間を作り出してしまい、今は、一軒家でも生活様式が洋式化していて、インテリアと仏壇が合わないという悩みもあるようです。今は畳の部屋のない家も多く、あえて仏壇を置かない家庭もあるようです。
手元供養とは
手元供養とは、今までのしきたりや習慣にとらわれずに故人やご先祖様を偲ぶという考え方で、ライフスタイルや住環境に合わせて供養のできる場所を自由につくり、供養する方法になります
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手元供養について
住環境や家族構成の変化、お墓を持たないという方が増えていることもあり、手元供養は広がりを見せています。大きなお仏壇を置く場所が無くなり供養の形も変化しています。大切な人に手を合わせたい、そんな想いを叶 ...
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手元供養と分骨について
「分骨」について
分骨とは
文字通り“お骨を分けること”を意味する言葉。亡くなった方のご遺骨の一部を取り分けることを言います
分骨する目的
分骨する目的
・家族で分けるケース:離れて暮らす兄弟がそれぞれに建てたお墓で別々に両親を供養していくために遺骨を分骨する
・宗教上の習わし:浄土真宗などでは信徒が亡くなると宗祖への畏敬の意味を込めて遺骨の一部を本山に納めるとい習わしがある
・手元供養するため:故人の身代わりとして分骨した遺骨を手元におき供養をする
分骨する時期
分骨する時期
時期については特に決まりはなく、分骨が必要となったときいつでも行うことができる。多くは、火葬後にその場で、もしくは火葬から納骨までの間に骨壷から取り出して、という分骨が一般的ですが、すでにお墓の中に納められている遺骨を取り出して分骨することもできる
お墓の中に納められている遺骨を取り出して分骨するときの注意点
他の親族から了解を得たり、墓地の管理者へ連絡したり、石材店へ墓石を動かす依頼をしたりと、少々手続きを踏むことが必要になる。墓石を動かすには、”お性根抜き”や”魂抜き”と呼ぶ供養も必要になります
法的に問題はないのでしょうか?
問題はありません
分骨という行為において法的に問題となることは何もありません。ただ、分骨したお骨を別のお墓に納骨する際には、そのお骨の身元を確かにするといった意味合いから、「分骨証明書」等の書類が必要となりますのでお住まいの地域の自治体に確認するといいでしょう